今回は、令和5年12月9日にインストラクターとして参加した看護学生対象のICLSコースについて思うことを書いてみます。別の記事で、このコースに参加して思うことについて少し書いたのですが、改めてブログに書き留めておきたいと思い書いてます。
YIC看護専門学校 看護学生対象ICLSコース
ここで行われているのは、看護学生を対象としている正式なプロバイダーコースです。学生がICLSコースを受講するにあたり、二次救命処置に対しての講義や演習を重ねてこのコースに臨んでいます。そのため、実際に臨床で実践を重ねている看護師さん達に行われるICLSに比べて、事前に知識がある程度入ってるため想定外なトラブルなどがなくコースが進んでいく印象があります。
まだ臨床に出ていない学生が、「4つの心停止の波形」を言えて、二次救命処置のアルゴリズムを把握して「1サイクル目の波形宣言から、ショックなのかアドレナリンなのか」を判断できます。もちろん、スキルブースでもう一度説明はするのですが、すでに理解できている学生もいたりします。このコースに参加し始めて2年が経つためこれが普通と考えていましたが、よくよく考えるとすごいことだと思いはじめています。もちろん、現場経験がない故にその場面を想像しにくかったり、臨床に出るまでは経験と結びつけることができないため知識の定着が難しいなどがあるかもしれませんし、ただでさえ忙しい看護学生が二次救命処置まで頭に入れ込むのは負荷がかかりすぎるかもしれません。ですが、資格認定という目標の中でシミュレーション教育を受講できる、学べるということはとても良い学習経験になるのだと思います。
このコースに関わり始めて私が思うことは、看護学生のカリキュラムに二次救命処置のコース受講が入ればいいのではないかということです。一般的に、臨床の場面で救急部門ではない看護師が患者の心停止に遭遇する確率は10年に一度位の確率だという統計があります。そのため、予期せぬ心停止を経験しない人は経験しないままで終わるかもしれません。それなら必要な知識ではないかというと、そうではないと思います。その10年に1回が起こってしまった時に適切な対応ができなかった場合、10年に1回起こるか起こらないかのことだから勉強してなかった、なんて言い訳はできないと思います。そして、その10年に一度が就職してまもなく起こる可能性だってあります。就職前に「心停止を発見してからの10分間、蘇生チームのリーダーとしての行動ができる看護師」として、その知識と技術を持っていることを認定されてから臨床に出ることができれば、より患者さんの安全に寄与できるのではないかと思います。
指導に関わるインストラクターもかなり勉強になるコースです。講義や演習である程度レディネスを揃えてきているけど、臨床経験のない受講生に対してどのように現場の空気感を伝えるか、揃えてきた知識の上にどのような付加価値を付けるのかなど、本当に毎回悩みます。BLSや早期のショックなどのコアな部分は押さえつつ、チーム医療を意識してもらうことも必要なため、学生を萎縮させないように和やかな雰囲気で誘導していきます。最初は自信がなくて声も出てなかった皆んなが、最後のメガコードの頃には協力し合ってチームへと成長します。そんな姿を見ると、なんとも言えない多幸感をもらうことができます。看護学初学者の二次救命処置のコース受講は大変意義のあることだと思いますし、自分の時にはそんなことがなかったので少し羨ましい気持ちもあります。
この学校のこの取り組みについて、臨床に出てからどのように役立ったか、所属の管理者や同僚がどのように評価しているかなど、何かしらのアウトカムがあればこの取り組みを学会などで発表できるのではないかと思います。何かしら制度が変わるようになれば、救急に関わる看護師の活躍の場がさらに広がってくるかもしれませんね。








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