今回は「看護観」について自分の思いを書いてみます。
その過程で、看護学実習の看護計画や患者さんとのかかわり方にも触れています。
そのため、この記事は主に看護学生さんは参考にしていただけるのではないかと思っています。
看護観について書いてみたくなったのは、
僕自身が、看護学生の最後の課題に「自身の看護観を述べる」というレポート課題がでたときに
「看護観って何」、「まだ学生だし、実習で患者さんに関わっただけなのに…」
そんな思いを抱いていたことを思い出したからです。
私が学生の頃に書いた看護観
ちなみに…
僕が看護学生時代に書いた看護観は「○○(疾患名)の患者さんに寄り添える看護師になりたい」だったと思います。自身の実習のエピソードをもとに、レポート1枚にまとめたことを思い出します。
看護観を書くとは「自分の理想の看護師像を書く」ということです。なので、学生時代の僕は別に間違ったことを書いた訳ではありません。
でも、当時の僕は自分の理想の看護師像なんて見えていません。実習の中で「印象に残ったエピソード」を使って「その時代の流行(○○看護はその頃よくトピックスになっていた)」に合わせた文章を、レポート課題として書いただけになっていたと思います。もちろん、実習での経験はとても貴重でしたし、心に残る学びも沢山ありましたが…。
現在の看護観
年を重ねて私の中で芽生えた看護観は、「医療の計画を生活に結び付けることができる」です。
看護学生として最初に触れた「看護覚え書」の中で、ナイティンゲールは看護の役割について「今までは看護とは、与薬と、湿布を貼ること以上の意味はほとんど持たなかった。新鮮な空気、光、暖かさ、清潔さ、静けさを適切に保ち、食事を適切に選んで管理することーこれらのことすべてを患者の生命力になるべく負担をかけないように行うことを意味すべきである」(1998.2.15 医学書院 看護覚え書 決定版より一部抜粋)と言っています。
僕はこの意味をあまり理解しないまま看護師になりましたし、看護師として働いて10年以上は、もし看護観について聞かれても上手く答えられなかったと思います。
意識が変わるようになったのは、在宅医療に関わるようになってからです。
以前の私は、患者さんが家に帰ることは当たり前で、帰った先はただ普通に暮らすものだと思っていました。いくら退院調整の重要性や介護保険のことなどを学んでも、他人事と思っていたのかもしれません。帰った先は在宅医療に関わる方に丸投げ状態だったと思います。
実際の現場で痛感したことは、生活環境が整っていないと医療の継続どころじゃなくて、その方の生活すらままならないということです。在宅医療に関わり始めてから、とにかく「病院から帰る前に、何故この環境に帰るための準備をしていないんだろう」と思うことが多くありました。簡単な例を挙げると、玄関に30㎝の段差があるお宅なのにその段差を超えるためのリハビリができていないことや、住宅改修などで段差を解消するような環境を整えていないみたいなことです。
治療計画を生活に結び付けるためには、ナイティンゲールも言っているように生活環境を整えることが本当に重要です。環境を整えるなんて当たり前のこととは思いますが、業務を遂行していく中で意識してできなくなってしまうことが結構あります。看護師は身体的、精神的な環境を整えることができるプロフェッショナルだと思いますし、それが普通にできることが理想だと思います。
看護観を見出せる患者さんとの関わり方について(私見ですが)
学生の時に「看護観」をまとめるためには、やはり実習での学びが重要になります。
実習の看護計画を立てる際、疾患に対する計画やルーティン的な計画だけを立てていませんか?
「左の肺炎だから排痰法はこうで…」とか、「とりあえず毎日清潔の援助…」みたいな。
もちろん排痰が上手くいけば肺炎の治療に有効な効果がありますし、皮膚の清潔を保つことで何らかの2次感染を予防できると思います。
でも、この患者さんが「どんな環境に帰るのか」「どんな生活をしていたのか」「何が好きで帰ったら何をしたいのか」などを確認できれば、計画の中に個別性を入れることができると思います。
例えば「お風呂の時には背中を思いっきり擦るのが好きだった」みたいな情報があれば、背中を思いっきり擦ってあげることを計画に組み込む。これだけでも少し個別性がでますし、患者さんも満足して今後のコミュニケーションが円滑になるかもしれません。患者さんが帰宅後にやりたいことがあれば、それをできるためのリハビリの目標の設定なんてこともいいかもしれませんね。
深く相手を知ることで、「こうしたい」、「こうするといいんじゃないか」、「患者さんと相談して方針を決めよう」みたいな思いが芽生えてくると思います。その積み重ねが、看護観に繋がると思っています。
終わりに
看護学実習では、ぜひ受け持ち患者さんが帰った先の生活を意識して関わってみてください。患者さんだけでなく、自分にとっても実りある実習になると思います。そんな実習を常に取り組むことができれば、自ずと自分の看護観が見いだせると思います。






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